センサ情報とその公共性

最近、よく使う気象情報に、電力会社が提供している情報がある。 ほぼリアルタイムで、結構な精度で表示してくれる。 気象情報としては、雨量・雷雲・落雷とがある。 雷雲・落雷情報はあまり利用したことはないが 電力会社にとってはむしろのそちらの方が重要な情報なのかもしれない。 というのも、電力会社にとっては電力サービスを提供する上で、落雷による停電には早急に対処しなければならない。 そういった理由で、独自に雷雲や落雷を観測しているのだろう。 そしてそれらの情報を無償で公開している。 同じように、もしもの時のために気象を観測している例がある。 その1つにガス会社は地震の観測に長けているそうだ。 ガス会社にとっては地震がおきた際は早急に対処しなければならない。 観測点の数では公的な機関よりも多いらしい。 この情報も公共に提供されている。

さて、このようにインフラを司る会社が、自社のサービスの質を保持するために行っている気象観測は副作用的に「公共」の利益に繋がってくる。 (スケールの違いはあるのだが)場合によっては、公的機関が提供する情報よりも信頼度が高い。 ほかにもこのようなセンサ情報が埋没しているかもしれない。 広い意味でのセンサ情報とすれば、監視カメラの情報などもセンサ情報だ。 それらの中で公的に提供できるもの、されるべきものがあれば提供していけば良いのではないかと思う。 けれども、先にスケールの違いを述べたが、たとえば地球規模でみれば気象衛星からの観測情報の方が信頼できる。 東京電力の気象情報が有用なのは、それよりももっとミクロな視点での観測がなされ、それが自分たちの行動速度(行動範囲)にとってちょうど良いスケール感だからなのだ。 ちょうど西から雨が降ってきたから、もうすぐここも雨になるだろう。 というような情報が逐一確認できるのだ。 なぜこんなことを考えているかというと、気象庁アメダスの風観測は、どのアメダスでも観測しているわけではなく、全国の約1300カ所あるうちの約800カ所でしか観測しないない。神奈川県では4カ所しかない。(気象衛星からも観測できるので)それが少ないのか多いのか、充分なのか不充分なのかは何ともいえませんが、個人的にはもっと局所的な観測データが欲しい。それならそれで目的に応じた観測を徹底的に行ってしまえばいいんだけど(建築前など)、自分のやりたいことはそこまでミクロな視点ではないので、スケールでいえばもう少しマクロな視点で。時間軸でいえばもっとリアルタイムに(アメダスは10分おき)。そんな風をみてみたい。 ただそうなるとデータが膨大になるので、自己組織化マップを利用した特徴を引き出す手法も有効かもしれない。