第12回文化庁メディア芸術祭

昨年は暗さの制御ができていないという感想がありましたが、今年はちゃんと個室を作ったりして作品に対しての配慮は感じられました。 しかしながら、今度は逆に迷路のように壁が大きく、順路もわかりづらく観客側への配慮がやや欠けてしまったような印象です。 さて、後追い感は昨年と変わらず、しかしながら最近のエンターテイメントやメディアアート動向は学生の時ほどよく知りません。というわけで一昨年くらいのサマリーみたいな感覚で鑑賞しました。(実際にマンガ部門やエンターテイメント部門はだいぶ昔に話題になった作品でしたし) 以下、気になった作品など。

[Flow5.0] Daan ROOSEGAARDE © Studio Roosegaarde ぶすっ面で見てきました。 人のいるところに反応してファンが回る作品。 予想通り全力ではファンを回さず、そよ風程度を発生させていました。 作りは結構しっかりしていて、すばらしい作品でした。 が、なぜか観客はファンの前で手を叩く。 音に反応してファンが回ると勘違いしてか、次々に手をたたく。 周りの人もそれを見て手をたたく。 なんとなく、ここに日本のメディアアートの弊害みたいなものを感じました。 投影型インタラクティブ作品をみるとつい天井を見上げてしまうように。 そういえば昨年も使い方が分からないとさっぱりわからない作品があって、放置されていた印象がありました。たまたまどういう作品かしっていたので、インタラクションのデモを率先してやると、周りも「なるほど」と分かって、連鎖的に次々と観客が作品に触れていました。 (こういうのって学芸員の仕事だと思うのだけども) [十二支/TWELVE ANIMALS] 長井 健太郎 © 長井健太郎 世界地図を使って十二支を表現したもの。うまいなぁ。 [ペンギン爆弾] 中村 開己 © 中村開己 ローテクで爆発力のある表現って好きです。ペンギンかわいかった。 [食料の未来を確かなものにするために] groovisions © 2008 Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries/GROOVISIONS これはだいぶネット界隈でも話題になっていたけど。お役所がやった事を評価したい。 [ship] 谷川 瑛一 学生CGコンテストの作品。単純な発想だけど、単発じゃなくて徹底的に同じルールで作品を量産していたのがよかった。 [風の音楽 ephemeral melody] 鈴木 莉紗 これも学生CGコンテストの作品。シャボン玉を発生させて、パイプオルガンのような、あるいはハーブの弦のような、その突起にシャボン玉が触れると音が鳴るというもの。メロディは風まかせというわけ。発想は共感できるし、なによりよかったのがシャボン玉を発生させる装置。自動じゃなくて、オルゴールのように手回しってところが良い。というか、この作者、鈴木太朗さんところの学生だった。 全体的な感想として、会場の関係か作品の関係かわかりませんが、実際のものがなくプロモーション映像だけで終わってしまった作品がいくつかあり残念でした。まぁICCとか行けばいいんだけど。 メディアアートが全盛期だったころはそれらが主軸として展示会が成り立っていたけど、だんだんと下火になるにつれて、このイベント自体が中途半端な感じがしました。しかし逆に良い意味で無難になってきたというか、バランスがよくなってきたような気がします。先ほどのいいましたが一昨年くらいのサマリーと見れば違和感ありません。(中には昨年話題になったものもありますけど) 広義の意味でのメディアアートが定着すればいいのかなと思いました。(産業を守る意味でも) さて、創作意欲が刺激されたところで、何か作りますかー。